四鏡

大鏡」「今鏡」「水鏡」「増鏡」は、四鏡(しきょう、しかがみ)と呼ばれる歴史物語


歴史を明らかに映し出す鏡という書名。


初めに成立した大鏡は、老人が「昔はこんなことがあったなぁ」と語る形式で、あとの鏡物も継承しています。


大鏡」と「栄華物語」は、年代がかぶっていますが、「大鏡」は男性のエピソードが多く「栄華物語」は宮廷の女性のエピソードも多い。


そのため「栄華物語」正編の作者は、后や天皇に仕えた女房、中宮彰子に仕えた赤添衛門であり、彰子の父・藤原道長の栄華を書いたものといわれます。

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大鏡」は、
190歳と180歳の老人二人が見聞きしてきたという昔話、天皇家と藤原一族の話。
文徳天皇=在位850~858
から、後一条天皇=在位1016~1036)


「今鏡」は
150歳だという老女が語る、大鏡以降の王朝末期の話。
後一条天皇から、高倉天皇=在位1168~1180)


「水鏡」は
若い修行者が仙人から聞いたという天皇にまつわる故事を、修行者から聞いた73歳の老尼が語る話。
(初代神武天皇から第55代・仁明天皇まで)


「増鏡」は
後鳥羽天皇から、後醍醐天皇隠岐の島から還幸なさった1333年までの約150年間の歴史が書かれたもの。

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