8番目の勅撰和歌集「新古今集」その3

八代集のラスト「新古今和歌集」はWikisourceで全20巻、全文読めます。


主な歌人
西行 94首
慈円 92首
藤原良経 79首
藤原俊成 72首
式子内親王 49首
藤原定家
藤原家隆
寂蓮
後鳥羽院

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最初の歌

巻1 春上

1
『詞書』春たつ心をよみ侍りける

み吉野は
山もかすみて
白雪の
ふりにし里に
春はきにけり

by 摂政太政大臣(良経)


2
『詞書』春の初めの歌

ほのぼのと
春こそ空に
きにけらし
天の香具山
霞たなびく

by 太上天皇後鳥羽院


3
『詞書』百首歌たてまつりし時春の歌

山ふかみ
春とも知らぬ
松の戸に
たえだえかかる
雪の玉水

by 式子内親王


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巻4 秋上から

360
『詞書』をのこども、詩を作りて歌に合わせ侍りしに、山路秋行といふことを

深山路(みやまじ)や
いつより秋の
色ならん
見ざりし雲の
夕暮の空

by 前大僧正慈円


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三夕(さんせき)の歌


361
『詞書』題不知

寂しさは
その色としも
なかりけり
真木(まき)たつ山の
秋の夕暮れ

by 寂蓮法師


362
心なき
身にもあはれは
知られけり
鴨立つ(しぎたつ)沢の
秋の夕暮れ

by 西行法師



363
『詞書』西行法師すすめて百首歌よませ侍りけるに

見渡せば
花も紅葉も
なかりけり
浦の苫屋(とまや)の
秋の夕暮れ

by 藤原定家朝臣


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最後の歌
巻20 釈教歌

1978
『詞書』勧心をよみ侍りける

闇晴れて
心の空に
すむ月は
西の山辺
近くなるらん

by 西行法師

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