曾我兄弟の仇討ち

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」12回で

北条義時小栗旬)から父・伊東祐親(浅野和之)と兄・祐清(竹財輝之助)の死を告げられる八重(新垣結衣)。


伊東祐親といえば
曾我兄弟の仇討ち」が起こる原因となった「伊東家の所領争い」の当事者。

昔は名字がコロコロ変わるので分かりにくいけど、伊東も工藤も曾我兄弟も同族。
どちらが正しいとはいえない同族の相続争いが発端の仇討ち物語。


「富士の巻き狩り」で、仇討ちが行われた富士宮市作成の Youtube が面白い。

富士宮市と富士の巻狩」7本の動画。

前半は富士宮市の観光案内。
後半に曾我兄弟の仇討ち編があります。

曾我兄弟の仇討ち編その1」

www.youtube.com

曾我兄弟の仇討ち編その2」

www.youtube.com

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永井路子さんは「北条政子」で、
裾野の事件(富士の巻狩り)は、曾我兄弟の単なる敵討ちではなく、
頼朝や北条氏などに不満をもつ反主流派の御家人たちの、計画的な叛乱ではないかと書いてます。

吾妻鏡』にはこの事件について、ぼかしているので謎は解けていない、と。

事件後、旗揚げ以来の功臣だった大庭景親岡崎義実らの相模の有力な御家人が、にわかに出家したのは、何かの理由で、
「申しわけありませんでした」と頭を丸めて詫びを入れたのだ、と。

同年、頼朝の異母弟・源範頼は謀叛人として捕らわれて殺害される。


北条政子」から引用↓
源範頼がそれに関係していたという資料はない。ただ、叛乱軍は、クーデターに成功したら、頼朝のかわりに範頼をかつぐことを考えていたかもしれない。
しかも、このとき、範頼の家人で、曾我十郎、五郎と兄弟だった原小ニ郎は、まぎれもなく叛乱軍に加わっていた。
さらに範頼が、狩りに参加しなかったことが、疑われる原因となったにちがいない。」
↑引用終わり


「つわものの賊」から引用↓
クーデターは失敗
「多分頼朝の裁定によって、クーデター側は首魁二人が頭を丸めて責任をとる代り、北条側も仲間に犠牲者や負傷者を出したことを忘れて水に流す、そしてこれは曾我十郎、五郎が父の敵を討った仇討ち事件にすぎないのだ、ということで了解する、これが両者の妥協案ではなかったか。」
↑引用終わり


曽我兄弟の仇討ち事件は、実はクーデターだったのかもしれない。
クーデターは成功せずに、
伊東祐親も工藤祐経もいなくなり、北条時政は伊豆で勢力を拡大することになった。

さらに源範頼がいなくなり、東国武士のトップは頼朝で安定した。


大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では、どう描かれるかな


追記
2022/6/12 鎌倉殿の13人第23話
「狩りと獲物」
曽我兄弟の敵討ちが果たされました。
永井路子さん説のクーデターとして描かれました。

頼朝は、女性の寝所へ訪ねていて、替わりに頼朝の寝所にいた者が曽我五郎に襲われる、という吾妻鏡曽我物語にはない設定で面白かったです。


工藤祐経源頼朝を討ち果たした!と曽我五郎。

頼朝と万寿が亡くなったと聞いた比企に担がれ、源範頼は朝廷へ。

しかし
女性宅から戻った頼朝。

坂東で謀反が起こったと広まるのは世情を乱す、と、
これはクーデターではなく「仇討ち」として裁定された。(捕らえられた曽我五郎は処刑となる)


次回24話では、源範頼が謀反の疑いをかけられる。

ついに頼朝(と北条)により御家人達の粛清が始まる・・


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おまけ「山宮浅間神社と山宮御神幸道を歩こう!」

www.youtube.com

説明書き↓
古代からの富士山信仰の形が今も息づく"山宮浅間神社"
世界遺産富士山構成資産であり、富士山本宮浅間大社の元宮。
本殿がなく、富士山そのものを神として遠くから拝む遥拝所があります。

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「本殿がなく、富士山そのものを神として遠くから拝む」
なるほど、と思いました。.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*