(22)吹くからに 秋の草木のしをるれば

百人一首22番歌

吹くからに
秋の草木の
しをるれば
むべ山風を
嵐といふらむ

古今集 巻5・秋歌下249

by 文屋康秀(ふんやのやすひで)
6歌仙のひとり
37番歌の文屋朝康の父

吹くと同時に秋の草木も萎れ(しおれ)てしまう、なるほど、それで山から吹く風を荒らしと言い、嵐と書くのだね。

むべ=なるほど

山+風=嵐、という言葉遊び

 

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古今集の詞書に
「是貞(これさだ)の親王(みこ)の家の歌合の歌」とあり、
是貞親王が自邸で催した歌合で詠んだ歌だそうです。
(是貞親王は、光孝天皇の第2皇子)

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文屋康秀は、陽成天皇の治世の時に、三河国に赴任する際に、小野小町を誘ったそうです。
小野小町
「わびぬれば 身を浮草の 根を絶えて 誘う水あらば いなむとぞ思ふ」
と答歌したそうです。

 

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