2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

(53)嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は

百人一首53番歌 嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る 「拾遺集」恋4-912 by 右大将道綱母 937頃~995頃 「蜻蛉日記」の作者 18歳位頃に藤原兼家と結婚して翌年道綱を出産。 嘆きながら1人寝する夜、夜明けまでがどんなに長く辛いこ…

(52)明けぬれば 暮るるものとは 知りながら

百人一首52番歌 明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほうらめしき 朝ぼらけかな 「後拾遺集」恋2-672 by 藤原道信朝臣 972~994(23歳) 夜が明ければやがて日が暮れてまた逢えると知っていますが、それでもなお恨めしいのは去らなければならない明け方に…

(51)・・その②

百人一首51番歌・・その② 藤原実方は、父・定時が早世したため、叔父の大納言・藤原済時(なりとき)の養子となりました。 天延元年(973年)叙爵。左近少将、左近中将等の武官を歴任しています。 長徳元年(995年)正月、陸奥守に任じられました。 同年3月…

(51)かくとだに えやはいぶきの さしも草・・その①

百人一首51番歌 かくとだに えやは伊吹の さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを 「後拾遺集」巻1恋612 詞書「女に初めてつかわしける」 by 藤原実方 生年不詳~999(40歳位) 「こんなに貴方を思っています」とさえ言えないのですから、ましてや伊吹山のヨモギ(…

(50)君がため 惜しからざりし 命さへ

百人一首50番歌 君がため 惜しからざりし 命さえ 長くもがなと 思ひけるかな 「後拾遺集」2-恋669 詞書(女のもとより帰りてつかはしける) by 藤原義孝 954~974 45番歌作者藤原伊尹の息子 藤原行成の父 貴方のためなら惜しくないと思っていた命ですが、今は…

(49)みかきもり 衛士のたく火の 夜は燃え

百人一首49番歌 御垣守(みかきもり) 衛士のたく火の 夜は燃え 昼は消えつつ 物をこそ思へ 「詞花集」7-225 by 大中臣能宣(よしのぶ)朝臣 921~991 梨壺の5人の1人 36歌仙の1人 伊勢神宮の祭主 宮中の門を守る衛士が焚く火が、夜は燃え昼は消えているように、恋…

(48)風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ

百人一首48番歌 風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけて物を 思ふころかな 「詞花集」(しかしゅう)7-恋211 by 源 重之(みなもとのしげゆき) 生没年不詳(~1000頃) 清和天皇の曽孫 36歌仙の1人 強い風に吹かれた波がうちつけた岩はもとのまま、波だけが…

(47)八重葎 しげれる宿の さびしきに

百人一首47番歌 八重葎(むぐら) しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり 「拾遺集」秋140 by 恵慶法師(えぎょうほうし) 生没年不詳、出自不詳 葎が幾重にもなって繁っている淋しい家に人は訪ねて来ないけれど、季節が移り秋は訪れてきたのですね…

(46)由良の門を 渡る舟人 梶を絶え

百人一首46番歌 由良の門(と)を 渡る舟人 梶を絶え 行方も知らぬ 恋の道かな 「新古今集」恋1-1071 by 曽祢好忠(そねのよしただ) 生没年不詳(または、923~1003) 曽丹(そたん、丹後の判官だったから) 由良の瀬戸を渡る船人が梶をなくして、あてどなく漂…

藤原氏系図 百人一首後半

後半の百人一首は、藤原冬嗣の北家から、沢山選出されています。 1sheetに書くために、良房からは縦書き、良門からは横書きになりました。 数字は百人一首の番号です。 スマホでは見ずらいですが・・

藤原氏系図 百人一首

鎌足 │ 不比等 │ ┬────┬───────┬──────┬ 麻呂 宇合 房前 武智麻呂 (京家) (式家) (北家) (南家) ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ 仲成(薬子の変) ∨ 敏行=18番歌 ∨ 興風=34番歌 房前 │ ┬────┬─────┬─────┬───── 永手 真楯 魚名 楓麻呂 │ │ 内麻呂 藤成 │ │ 冬嗣 秀郷 ∨ (奥州…

(45)あはれとも 言ふべき人は 思ほえで

百人一首45番歌 あはれとも 言ふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな 「拾遺集」恋5-950 by 謙徳公 藤原伊尹(これまさ、これただ)の諡 924~972 26番歌・藤原忠平の孫 50番歌・藤原義孝の父 哀れだと言ってくれる人は誰一人として思い浮かばず…

(44)逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに

百人一首44番歌 逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし 「拾遺集」恋1-679 by 中納言朝忠(藤原朝忠) 910~966 36歌仙のひとり 25番歌作者・三条右大臣(藤原定方)の5男 土御門(つちみかど)中納言 逢うことが全くなかったなら、かえ…

番外メモ 冷泉家

番外メモ 冷泉家 百人一首の選者、藤原定家の子孫は、今は上冷泉家と下冷泉家に継がれています。 冷泉家は、歌道宗匠家として 冷泉流歌道や宮廷生活の伝統的諸行事を今も伝承しています。 1981年(昭和56年) 上冷泉家の冷泉布美子さん(1916~2011)(上冷…

(43)逢ひ見ての 後の心に くらぶれば

百人一首43番歌 逢ひ見ての 後(のち)の心に くらぶれば 昔は物を 思はざりけり 「拾遺集」恋2-710 by 権中納言敦忠(藤原敦忠) 906~943 左大臣藤原時平の三男 母は在原業平の孫 36歌仙の一人 お逢いして契りを結んだ後のこの恋しい心に比べれば、契りを結…