2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

(96)花さそふ 嵐の庭の 雪ならで

百人一首96番歌 花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは 我が身なりけり 「新勅撰集」雑・1054 by 入道前太政大臣 藤原公経=西園寺公経 1171~1244 藤原実宗の子 定家の義弟 西園寺家の祖 桜の花を吹き散らす嵐の日の庭に、雪のように降る花びら、それは…

番外メモ 歴代大師号

歴代大師号1 伝教大師 最澄 天台宗宗祖 866年 清和天皇2 慈覚大師 円仁 天台宗 866年 清和天皇3 弘法大師 空海 真言宗宗祖 921年 醍醐天皇4 智証大師 円珍 天台宗 927年 醍醐天皇5 慈慧大師 良源 天台宗 987年 一条天皇6 本覚大師 益信 真言宗 1308年 …

(95)おほけなく 憂き世の民に おほふかな

百人一首95番歌 おほけなく 憂き世の民に おほふかな わが立つ杣(そま)に すみぞめの袖 「千載集」雑中1137 by 前大僧正慈円 1155~1225 藤原忠通(76番歌)の息子 崇徳院后聖子の弟 九条兼実の同母弟 後鳥羽院后任子の叔父 九条良経(91番歌)の叔父 身の程…

(94)み吉野の 山の秋風 小夜ふけて

百人一首94番歌 み吉野の 山の秋風 小夜(さよ)ふけて ふるさと寒く 衣打つなり 「新古今集」秋下483 詞書『擣衣のこころを』by 参議雅経(藤原雅経) 1170~1221 藤原(難波)頼経の息子 蹴鞠の飛鳥井流の祖 「新古今集」撰者のひとり 吉野の山に秋風が吹きわ…

(93)世の中は 常にもがもな なぎさこぐ

百人一首93番歌 世の中は 常にもがもな なぎさこぐ あまの小舟の 綱手かなしも 「新勅撰集」羇旅(きりょ)525by 鎌倉右大臣・源実朝 1192~1219 源頼朝と北条政子の次男 鎌倉幕府3代将軍 世の中はいつも変わらないでいてほしいものです。渚を進む漁師の小舟の…

(92)我が袖は 潮干に見えぬ 沖の石の

百人一首92番歌 我が袖は 潮干に(しほひに)見えぬ 沖の石の 人こそ知らね 乾く間もなし 「千載集」恋2-760 「石に寄せる恋といへる心をよめる」 by 二条院讃岐 二条天皇に仕えた女房 1141~1217頃 源三位頼政の娘 私の袖は干潮の時も見えない沖の石のように、…

(91)きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに

百人一首91番歌 きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき 独りかも寝む 「新古今集」秋下518 「百首歌たてまつりし時」 by 後京極摂政前太政大臣 藤原(九条)良経 1169~1206 藤原忠通(76番歌)の孫 九条家を興した兼実の息子 御子左家のパトロン鎌倉幕…

(90)見せばやな 雄島の海人の 袖だにも

百人一首90番歌 見せばやな 雄島の海人の 袖だにも ぬれにぞぬれし 色は変はらず 「千載集」恋4-884by 殷富門院大輔 1131~1200年頃 藤原信成の娘 後白河天皇の第1皇女殷富門院亮子に仕えた。 貴方にお見せしたいものです。雄島の漁師の袖でさえ、どれだけぬれ…

(89)玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば

百人一首89番歌 玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする 「新古今集」恋1-1034 「百首歌の中に忍恋を」 by 式子内親王 1149~1201 後白河院第3皇女 同母兄弟姉妹に 殷富門院亮子内親王 以仁王 異母兄弟に 二条天皇 高倉天皇 やがてはかな…

(88)難波江の 葦のかりねの ひとよゆゑ

百人一首88番歌 難波江の 葦のかりねの 一夜ゆゑ みをつくしてや 恋わたるべき 「千載集」恋3-807 「摂政右大臣の時の歌合に旅宿逢恋といへる心をよめる」 by 皇嘉門院別当 生没年未詳 源俊隆の娘 崇徳帝の后・皇嘉門院聖子の女官長 難波江の葦の刈り根のように…

(87)むら雨の 露もまだ干ぬ 真木の葉に

百人一首87番歌 むらさめの 露もまだ干(ひ)ぬ 真木(まき)の葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ 「新古今集」秋下491 「50首歌たてまつりし時」by 寂蓮 1139~1202 俗名藤原定長 藤原俊成の甥(兄の子) 俊成の養子(後継者)となるが、定家が誕生した後、出家。 …

(86)嘆けとて 月やはものを 思はする

百人一首86番歌嘆けとて 月やはものを 思はする かこち顔なる 我が涙かな 「千載集」恋5-929by 西行法師 1118~1190 佐藤義清(のりきよ) 嘆けよと、月が私にもの思いをさせるのか、いや、そうではない。けれど、澄んだ月をみるとつい涙がこぼれ落ちてしまう…

(85)夜もすがら もの思ふころは 明けやらで

百人一首85番歌夜もすがら もの思ふころは 明けやらで 閨(ねや)のひまさへ つれなかりけり 「千載集」恋2-766by 俊恵法師 1113~1191頃 71番歌・源経信の孫 74番歌・源俊頼の子 鴨長明の和歌の師 ねやのひま=寝室のすきま 一晩中、いとしい人のことをもの思…