読書 2023年4月

「おいしいごはんが食べられますように」
 高瀬隼子(じゅんこ)
第167回芥川賞受賞作。面白かった。食べ物についての主人公の心の声でおなかいっぱいになった。最後に本の題名の意味が分かった。


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「地図のない道」
須賀敦子:1929年(昭和4年)〜1998年(平成10年)
須賀さんは、1951年、聖心女子大学第一期生として文学部外国語外国文学科を卒業(同大第一期生には緒方貞子、後輩に上皇后美智子がいた)
1997年に卵巣腫瘍の手術。翌年心不全のため69歳で死去。

「地図のない道」は1994年に書かれた作品。旅の随筆集。
橋編では「新古今和歌集」の編者のひとり藤原家隆(大阪の四天王寺付近に庵をむすび、1年程のち79歳で亡くなり五輪塔が建てられ、史跡家隆塚となっている)の話が興味深かった。
ヴェネツィアの有名なゲットーや、オスペダーレ・デリ・インクラビリの残酷な話に胸が痛んだ。
オスペダーレ=病院
インクラビリ=治癒のあてのない、手のつくしようのない病人。


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「歩きながら考える」ヤマザキマリ

パンデミックの出口が見え始め、新たな歩みを始めたヤマザキマリさんのエッセイ。

山下達郎さんが11年ぶりにリリースしたアルバム「SOFTLY」、パンデミックの苦境を乗り越えての念願のアルバムのジャケットに、ヤマザキマリさんが依頼されて山下さんの肖像画を油絵で描いたそうです。ヤマザキマリさんにとって、令和のルネサンス

『この地球において、現在に至るまで数えきれないくらいの困難が発生してきましたが、こうして我々が今この時代を生きているのは、それらのすべてを乗り越えてきた強靭な遺伝子の生命力があったから』

『失敗を恐れるよりレジリエンスを』

生き物はいつか死ぬ、せっかく与えられた時間、困難があってもしなやかに乗り越え回復しながらいきていきましょう。


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「祖国地球」エドガール・モラン

ヤマザキマリさんの愛読書ということなので、読みましたが、難しいです(^_^;)
何とか読み終えた。お経のような本だと思った。

以下引用↓

世界を支配する?しかし、人間は巨大で謎に包まれた宇宙の中では1個の微生物にすぎない。

私たちは、いつの日か太陽の熱で燻製になるか、宇宙空間で永遠に冷凍になる・・
・・しかし・・
ここ、わが惑星に、私たちの植物、動物、私たちの生と死、私たちの子供が存在している。私たちは祖国地球を守り、救わなければならない。


人間はウイルスを絶滅できたとしても、人間をあざ笑うように新種のウイルスが現れ、変異し、再生するのをただ見ているしかない。
細菌とウイルスについてだけでも、人間は生命と、また自然と交渉するしかなく、それはこれからも変わらないだろう。

最悪の事態もまだ確かではない。まだすべてが決まったわけではない。
確実だとも、ありそうだとも言えないにしても、より良い未来への可能性は残されているのだ。
↑引用終わり


人間の未来は絶望的で不確かだけど、希望はある、厳しいけれど、とのこと。

良い方向へ行きますように。
平穏無事な日々に感謝していきよう。


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「色を奏でる」志村ふくみ
 井上隆雄(写真)

詩集のように心地良く読めました。写真がとても美しい。


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読みたい本

「知れば疲れないバカの上手なかわし方」
 マクシム・ロヴェール

上手にかわして穏やかに幸せに暮らしましょう


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