1番目の勅撰和歌集
古今和歌集=古い歌と今の歌を集めた歌集
勅命 醍醐天皇
905年または913~914年
20巻 歌数は1100首
撰者は
紀友則(きのとものり)
紀貫之(きのつらゆき)
凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)
壬生忠岑(みぶのただみね)
巻首に「仮名序」 紀貫之作
巻尾に「真名序」 紀淑望(よしもち)作
主に短歌
少数の長歌、旋頭歌
歌人
※ 紀貫之 102首
※ 凡河内躬恒 60首
※ 紀友則 46首
※ 壬生忠岑 36首
※ 素性法師 36首
※ 在原業平 30首
※ 伊勢 22首
※ 藤原敏行 19首
※ 小野小町 18首
※ 僧正遍昭 17首
※ 藤原興風 17首
※ 清原深養父 17首
※ 在原元方 14首
※ 大江千里 10首
※ 平貞文 9首
※ 坂上是則 8首
※ 源 宗于 6首
※ 小野篁 5首
※ 文屋秦秀 5首
※ 兼覧王 5首
※ 詠み人知らず 450首
☆詠み人知らずの歌は、奈良朝末期から嵯峨朝を中心とする漢文学隆盛期に至る間の時代の歌。
☆「古今集」仮名序に『近き世にその名聞こえたる人』と名前を挙げられた6人の歌人のことを『六歌仙』という。
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最初の歌
巻1 春上歌
旧年(ふるとし)に春立ちける日よめる
年の内に
春はきにけり
ひととせを
去年(こぞ)とやいはむ
今年とやいはむ
by 在原元方
ふる年=(陰暦の為)1月1日前に立春があった場合の年内のこと。古年
陰暦の立春は、12月後半から1月前半にあった。
喜ばしい立春を迎えたからには、暦の上では年内でも、昨日までの一年を去年というべきか、それとも新年を迎えるまでは今年というべきか、という歌。
古今集、春歌上のファーストソング、穏やかで良い歌ですね。
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最後の歌
巻20 東歌
冬の賀茂の祭の歌
ちはやぶる
賀茂のやしろの
姫小松
よろづ代経(よふ)とも
色はかはらじ
「大鏡」に、宇多天皇が即位前に賀茂明神に託宣され、即位後に祭を始めた話が載ってます。
藤原敏行は
(神代からの賀茂社の姫小松は幾代経ても色を変えないように、帝の子孫も永遠に続くことでしょう)
と詠んでいます。
繁栄を寿ぐ歌に、ほっとします。
秋、11月の賀茂臨時祭でしたが、今は廃止されたそうです。
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戦国時代、細川幽斎は、いくつかに分かれた「古今伝授」を集大成しました。
関ヶ原の戦いの頃、1600年、幽斎は、智仁親王に「古今伝授」を伝授します。
徳川方についた幽斎は居城・田辺城で籠城し、石田三成方に包囲されます。
しかし「古今伝授」の断絶を懸念した後陽成天皇の勅命により城の包囲は解かれ、細川幽斎は無事に戦後を迎えました。
石田軍は、田辺城攻めに大軍を送ったため、関ヶ原本戦で兵力を欠き、戦いに敗れたともいわれます。
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惹かれた歌のひとつφ(.. )
「蓮(はちす)の露を見てよめる」
古今集・夏165
蓮葉(はちすば)の
にごりに染まぬ
心もて
なにかは露を
玉とあざむく
by 僧正遍昭
蓮の葉は、泥水の中に生えながら濁りに染まらない清らかな心を持っているというのに
何故、葉の露を真珠と見せて
人をあざむくのですか。
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なお、「古今集」「後撰集」「拾遺集」には、重複して収載されている歌がいくつかあります。