⑦ 千載集と百人一首

千載和歌集」から「百人一首」に選出された歌(15首)


449 雑上(百人一首55番歌)
 滝の音は
 絶えて久しく
 なりぬれど
 名こそ流れて
 なほ聞こえけれ  by 大納言公任


419 冬(百人一首64番歌)
 朝ぼらけ
 宇治の川霧
 たえだえに
 あらはれ渡る
 瀬々の網代木  
     by 権中納言定頼


961 雑上(百人一首67番歌)
 春の夜の
 夢ばかりなる
 手枕に
 かひなく立たむ
 名かそ惜しけれ   by 周防内侍


707 恋ニ(百人一首74番歌)
 憂かりける
 人を初瀬の
 山おろし
 はげしかれとは
 祈らぬものを   by 源俊頼朝臣


1023 雑上(百人一首75番歌)
 契りおきし
 させもが露を
 命にて
 あはれ今年の
 秋もいぬめり   by 藤原基俊


801 恋三(百人一首80番歌)
 長からむ
 心も知らず
 黒髪の
 乱れて今朝は
 物をこそ思へ
    by 待賢門院堀河


161 夏(百人一首81番歌)
 ほととぎす
 鳴きつる方を
 ながむれば
 ただ有明
 月ぞ残れる
    by 後徳大寺左大臣


817 恋三(百人一首82番歌)
 思ひわび
 さても命は
 あるものを
 憂きにたへぬは
 涙なりけり   by 道因法師


1148 雑中(百人一首83番歌)
 世の中よ
 道こそなけれ
 思ひ入る
 山の奥にも
 鹿ぞ鳴くなる
    by 皇太后宮大夫俊成


765 恋ニ(百人一首85番歌)
 夜もすがら
 物思ふころは
 明けやらで
 閨のひまさへ
 つれなかりけり  by 俊恵法師


926 恋五(百人一首86番歌)
 嘆けとて
 月やは物を
 思はする
 かこち顔なる
 わが涙かな   by 西行法師



806 恋三(百人一首88番歌)
 難波江の
 芦のかりねの
 ひとよゆゑ
 みをつくしてや
 恋ひわたるべき  
     by 皇嘉門院別当



884 恋四(百人一首90番歌)
 見せばやな
 雄島のあまの
 袖だにも
 ぬれにぞぬれし
 色はかはらず  by 殷富門院大輔



759 恋二(百人一首92番歌)
 わが袖は
 潮干に見えぬ
 沖の石の
 人こそ知らね
 かわく間もなし  by 二条院讃岐



1134 雑中(百人一首95番歌)
 おほけなく
 うき世の民に
 おほふかな
 わが立つ杣(そま)に
 墨染の袖   by 前大僧正慈円


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